えなりしげたの深夜だから言わせろ!

道楽。https://twitter.com/shigeta_of_13

西葛西の女

 あいつはたしかに不愛想だった。優しさや気遣いなんて感情は一切なく、私に対しての感情もいわゆるその辺の鳩を見るような目と同じくらいどうでもよく他の男に対してもスーパーに並んでいる醤油、蚊取り線香、自宅で亡くしたなにかしらのリモコンと心の底からどうでもいいような存在だった。

あいつは男を人として見ていない。出会ってまもなくそう確信せざるを得なかった。だが、その目の奥の暗闇は明日を見ていない。ウズベキスタン辺りしか見ていないようだった。

 

 

あいつの寂しさはとても救えるものではなく完全に光へ導くには自分を犠牲にしなくてはいけないのだろう。そもそもあいつに限らず人を救うことは自分を犠牲にしなくてはならない。それが分からず安易に人に優しさを振るう人が多すぎる。責任と最後まで逃げ出さない明確な意志が必要なのだ。

 

 

いつになく真面目な信念をとやらを抱いていると一杯のラーメンがやってきた。

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少々独特ではあるもののコシがある麺と深いコクのあるスープが印象的だった。

店内ではマイルス・デイヴィスが流れていたが中々に渋い趣味を持っている店主なのかもしれない。

ついでに言うと全体的に雰囲気はレトロかつ70年代くらいの大衆居酒屋をモチーフにしている気がした。

店主はやる気がないのか鬱病なのか知らないがどことなく気分が乗っていなかった。

 

 

 

この町は西葛西。今日もどこかで鳴き声が聞こえる。