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道楽。https://twitter.com/shigeta_of_13

【ジョジョ4部】ダイヤモンドは砕けないで描かれる人間の弱さ【最終回記念】

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今年の春から放送されていたジョジョ4部(ダイヤモンドは砕けない)が先日無事に最終回を迎えた。3クールにおける長い時間だったが僕も毎週楽しみにワクワクと拝見していた。最終回が終わったところで改めて考えたいのだが「ダイヤモンドは砕けない」とはいったいどんな物語だったのだろうか?皆さんも考えながら読んでいただきたい。

 

 

 

舞台は1999年の夏、杜王町

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物語の始まりは前作3部の主人公である空条承太郎ジョセフ・ジョースターの遺産分配を調査した結果、隠し子の東方仗助杜王町に住んでいることが発覚する。承太郎は仗助に会いに行くため杜王町を訪れることにした。当初の仗助は突然の訪問に驚き、腰が引けていたが町の不良に髪型をバカにされ逆上し、スタンドを発現しそれを撃退した姿に承太郎は驚く。

承太郎は父・ジョセフのことを伝えると同時に杜王町に凶悪なスタンド使い「アンジェロ」がいることを警告したが、そのアンジェロは警官である仗助の祖父を殺害する。仗助は町の平和を守ってきた祖父の代わりに自分が町を守ることを決意する。アンジェロを撃破した仗助たちであったが、アンジェロからスタンド能力を発現させる「弓と矢」でスタンド使いを増やしている者が杜王町にいることを教えられる。

 

 

 

主人公やその個性的な仲間たち

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主人公である東方仗助はとても親しみやすく(見た目はヤンキーだが)、ノリノリな性格だけれでもお金にがめつく、家ではTVゲームをやって楽しんでいるなど前作のクールで近寄りがたい空条承太郎と比べると友達になりたいなと思える人格だし、とても人間味がある。髪型をバカにされると我を失い怒り狂うとの欠点はあるがさして問題はない。スタンド「クレイジー・ダイヤモンド」も触れたものを治すことができることからこれは本人の仲間想いな「優しさ」が表れた具現化したいるのだと思う。実際、母親も「心の底に優しさがある」と語っている。

仗助の仲間たちはスタンドがかなり強力だが本人はとても頭が悪い虹村億泰。一見するとおどおどした少年だが、敵に立ち向かう勇気と町を守る意志を持っている広瀬康一。いつも人を見下し、漫画の参考になるなら死なない限りどんなことでもやる岸部露伴など、前作以上にキャラクターが濃い面々が揃った。これもファンキーで楽し気な雰囲気も持つ4部の個性だろう。

 

 

 

他作品では類を見ないほど特殊なラスボス「吉良吉影

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物語の中盤でようやく登場するラスボス「吉良吉影」彼はラスボスとしてはかなり特殊だ。彼は普段は会社員として仕事をそつなくこなし、トラブルに巻き込まれないように大人しく生きているのだが、裏の顔は凶悪な殺人鬼で今までに47人以上の女性を殺害し、女性の手を持ち歩き共に生活をしているいわゆるサイコパスだ。彼の精神論として心の平穏を祈り植物の心のようにストレスを貯めずに生きることをいつも祈っている。普段からトラブルに巻き込まれないように目立たない様に生活を送り、彼は身体的にも知能的にもかなり高い能力を秘めているのにそれを隠して生きている、具体的にはトップに立つことで目立ってしまうから本人はひたすらに能力を隠しているのだ。

それを象徴するように彼が小学生のころに取った賞はいつも三位入賞。これもまた静かに暮らしたいがための要因だ。前作のラスボスであり頂点を目指し、人間を支配することを強く望んでいたDIOと比べると圧倒的に違いが分かる。

 

 

 

吉良吉影の心の平穏

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吉良吉影は作中で何度も心の平穏を祈っている場面が多くは存在し、彼の人間性をこれでもかというくらい描かれている。平穏を祈ることは人間の象徴であるのと同時に弱さの表れだと私は思う。彼のした「殺人」という行いは決して許してはいけないものだが、彼はそれをしなければ生きてはいけない人間であり、殺さなくてはいけない性も持っているのだ。彼は心がとても歪んでおり、ラスボスではあるものの彼は彼なりに苦しんで幼少期を過ごした結果「殺人鬼」になってしまった。モナリザの手を見て勃起したことから彼の殺人本能は目覚めてしまい、そして重ちーを殺したことで仗助たちから追われることに。平穏を祈る彼としてはとても辛いものだったのは予想できる。

吉良は何度も追い詰められるが、その悪運の強さと本人の平穏を祈る意志力によって乗り越えてきた。ある意味では主人公的な活躍をしており、人間の弱さを描いてきた4部のラスボスに相応しい人物だ。

 

 

正義の中にある黄金の精神

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だが、それでもジョジョ作品の主人公たちは戦う。東方仗助は祖父の代わりに町を守り抜くと決意をした、そのために吉良吉影と死闘を繰り広げる。人間は弱いけれども、だからこそ這い上がり戦い抜く、己の信念の元に。東方仗助はそんなことを私たちに教えてくれた。そして、仲間たちで繋いだ最後の激闘の瞬間はとても感動的でジョジョが人間賛歌の象徴と言うことを思い出させてくれる。町の守護霊である杉本鈴美は「みんなで町を救ったのよ」と別れの際に語ってくれた。これは本当にその通りで、だからこそラストが清々しかった。ジョセフ・ジョースターも「この町の若者は黄金の精神を持っている」と告げるように、これから先に吉良のような凶悪なスタンド使いが現れても彼らなら乗り越えてくれるに違いない。

 

 

 

そして、杜王町の日常は当たり前のように続く

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ここからは最終回の感想ですが、胸が締め付けられましたね。吉良に殺された人々は2度と帰ってこないし、その家族も永遠に帰りも待つ。クレイジー・ダイヤモンドでは治せない心の傷を負ってしまった杜王町ですが、それでも町の人々はこの美しい町で前向きに生き続け当たり前のように過ごすのでしょう。そんなことを主張したいアニメオリジナルシーンも追加され、まさに大団円を迎えた。ジョジョを読み続けている読者にも見てほしいし、もちろんそうじゃない人々にも伝わるものがあると確信している。

「人間の弱さと立ち向かう精神」ダイヤモンドは砕けないはそれらを思わせる名作だったに違いない。