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えなりしげたの深夜だから言わせろ!

道楽。https://twitter.com/shigeta_of_13

炎立つ。

物書きの方々には失礼だが。

僕の持論では人が作りだした物語よりも人が体験した実体験の方が面白い。

小説を否定しているのかもしれない。いや、そうではない。

僕自身は本をそれなりには読んでいる。子供の頃は図書館で朝から夕方まで引きこもっていたものだ。本が好きでたくさんの本を読んできたつもりだ。そんな僕からの疑問あるいは確信。

プロの世界で活動している小説家はリアリティーのある話を作るのが上手い。ではなく経験をしてきたのではないか?子孫にまで語り継げるような不思議体験をしてきたのではないか?

その経験から刺激されたのだろうか。どうですか?プロのみなさん?

もちろん地球上に存在するプロの小説家全員がそういった経験をしているわけではないと思うが。やはりことリアリティーにおけるものには我々凡人のはるか上空を突き抜ける。

羨ましい限りである。僕のこれまでの人生では人に話せるほどの面白い経験はあっただろうか?

…考えてみたらここでは書き出せない話が多かった。まず三つ浮かんだ。その一つは血生臭く痛い話だ。また一つは特にオチがなく裁かれない話だ。

最後の一つは怖い話だが何とか話せそうだ。だから書き出す。

僕のブログでは園児から死に逝く者までが見やすいように書いている。多少の配慮はするが少しでも怖い思いをしてしまったら後日菓子折りで持って謝りにいきたいと思う。プロローグおわり。

本題。2~3年前か。時期がはっきりと覚えていない。ちょうど今くらいか。初夏だったか。この際時期はどうだって良いか。段落を変える。

 

 

 

  僕は靴屋でアルバイトをしていた。

僕が働く靴屋は駅極近(駅からものすごく近い場所)に建てられており、夕方~夜にかけての通勤ラッシュでは嫌でも視界に写る。立地条件は良いのだ。

その隣には花屋とパン屋も建てられている。なんだかんだで僕らは駅の繁栄に貢献してるのかもしれない。各々の店がそれなりに売り上げを伸ばしているし、人も集めている。靴屋の店長も横暴な人柄ではあるが、そのルックスとファッションセンスから女性からの人気も高い。ちなみに既婚者だ。

花屋の店長は女性だ。年下の男性が好きらしい。この女性は人に対してはっきりと物を言う。どんな人に対しても。 そして、少々がさつな容姿だが気に入った人に対しては愛情を持って接する。ちなみに既婚者だ。

パン屋の店長は根暗だ。特に特記事項はない。あ、独身だ。

この他にもう1つ。駅を盛り上げるお店がある。それは今川焼の屋台だ。

駅を降りてすぐに見えるのが近隣の大きな大きな掲示板だ。今川焼の屋台はそこにひっそりと佇む。毎日16時ほどになったら今川焼の爺が屋台を引っ提げやってくる。靴屋と花屋の位置から歩いて7歩ぐらいの場所か。あ、そうそう。これは許可なくやってるそうなので違法だ。しかしながら、半年くらい屋台を続けていた。

誰も「止めなよお爺ちゃん」と言い出せなかった。僕も店長たちも。近隣住民や駅を利用する人々も。

皆が今川焼を購入しているからだ。

クリーム・チーズ・小豆の三種類の味があり、意外と美味しく感じてなおかつ値段が良心的だ。

なので、そこそこの人気があった。

しかし、屋台は唐突に閉めることになる。あの事件のせいで。

 

 

 

 

21:00

すでにパン屋と花屋はとっくに店を閉めている。22時まで営業してるのは靴屋だけだ。

21時は退屈だった。お客もこないので。

その時の店の体制は僕とNさん(仮名:60歳)との二人で店を切り盛りしていた。

Nさんが休憩をとると言い残し、駅近くのコンビニに向かった。僕は一人だけになったのだが、これはなんら珍しい事ではない。

珍しい事はこのあと起こった。

レジの点検を行っていたところ、唐突に。

 

 

『水!水!水!』と店の外から叫ぶ声が聞こえた。

僕は外を見ると今川焼の爺が炎に包まれていた。

冗談を言ってるのではなく、人が炎に包まれていたのだ。あり得ないことが現実に起きてる。参照画像。

f:id:shigeta-of-13:20150607224313j:plain

 

600ポイントのダメージどころの騒ぎではない。このままでは死んでしまう。

僕は急いで水を調達しようと走った。

店の中にはホースがない。たが、バケツならある。明らかに心ともないが、これでなんとかするしかない。

僕はバケツに溢れそうなほどの水を注いだ。

今川焼の爺の元に向かう。

すると。

爺は自力で脱出し、火もある程度収まっていた。

爺の身体は服の袖の部分が焦げていて、爺の腕の皮膚は皮が剥けていた。皮が剥けすぎて真っ白になっていた。

人が集まる。

「とりあえず、病院に行け」との声。爺はそれでも爺は僕らの言うことに耳を貸さずに店を続けようとする。

僕らはそれを制止した。

すると、程なくして交番にいる警官がやってきた。とりあえず事情聴取をされる。

ちなみに屋台は丸焦げ状態だ。

どうやらタンクからガスが漏れたらしい。その結果である。

Nさんも人だかりに気になってやってくる。Nさんはひどく爺のことを心配していた。

誰かしらが呼んだであろう救急車がやってくる。

爺は搬送された。搬送される直前。爺はとても悲しそうに焦げた屋台を見つめていた。

それ以来。今川焼は食べれなくなってしまった。

だが、恐らく二度と体験できないであろう人が炎に包まれる様子を目に焼きつけた。ガスには気をつけよう。

 

 

 

最後に。この事件を聞いた靴屋の店長の一言。

 

 

 

 

 

 

『マジ!?見たかったわ!?なんで俺がいないときにそんなこと起こるんだよ!!』